職業勇者Ⅱ -2ページ目

024

住んでいた国がなくなってから4ヶ月ちょっとたった。
隣の国に逃げてきたが周りは白い目で見てくる。
国を壊滅させた原因を作り出したのだから当たり前だと思うがやはり悲しい。

妻とも離婚した。
こんなつらい生活は耐えられない!とかそういうんじゃなく妻が買ってきたチョコレートを食べたのが原因だった。
てっきり私にくれるものだと思ったのにどうやら自分用だったらしい。

その横にはチロルチョコがひとつ置いてあった。

023

くそ、雑魚キャラしか出てこないと思って軽装備で街を出たのが間違いだった。俺は死を覚悟した。

しかし、いっこうに魔王(息子)は攻撃をしてくる様子がない。どうしたことだろうか。

「やあ、病気してない?元気してる?母さんと仲良くしてるかい?」

魔王はこう言ってきた。

「ああ、父さんは元気さ。母さんとも仲良くしてるよ。お前のほうこそどうなんだ?ちゃんと飯食ってるのか?」

親として月並みな発言で答えた。

その直後魔王が街のすぐ近くに来てるという話を聞いて。街から軍隊が出撃してきて一斉に攻撃してきた。魔王はその攻撃をものともせず、軍隊を一瞬で蹴散らしてしまった。俺はただただ驚愕するばかりであった。


また、親父越えは十分していることが分かった。

022

息子(魔王)が現在どこにいるのかわからない。家を出たっきり連絡をよこさなかったからな。あの親不孝ものめ。

しょうがない、そこらへんのモンスターを捕まえて居所でもはかさせよう。

街を出てモンスターを探すことに。装備は貧弱なものだがレベルはそこそこあるからなんとかなるだろう。

街を出て少したつと後ろから歌を歌いながら何者かがやってきた。よく聞き取れないな。何を歌ってるんだろう。俺は耳をすませた。


『おと~さ~ん、おと~さん。ま~お~が~』


息子だ。

021

オルテガみたいになって代わりに息子が世界を救う。というシチュエーションを考えていたのだがどうやら無理らしい。

俺は勇者来年厄年。枕の匂いもきつくなってきた。

年寄りの勇者なんて変な目で見られるだけだがこうなったら仕方ない。本格的に魔王を退治しよう。

世界を巻き込んだ親子喧嘩の幕開けだ。

020

20話記念。職業勇者Ⅱでの勇者ぱんのこれまでの軌跡。


1・漠然と次に進もうと決意する。

2・3週間ほど経過。なぜかサマルトリアの王子を探している。そしてあきらめる。

3・一ヶ月動かざること山の如し、誰かがラスボスを倒しているのを期待する。

4・王様から呼び出しをくらう。

5・王様に怒られる。勇者の称号をもらう(ひこうせき)

6・ロボットが仲間になる。

7・ロボットが近隣の村を焼き尽くす。仲間を売る。

8・飛空挺に始めて乗る。落とされる。

9・誰かと間違えられる。監禁される。

10・知らない人に助けられる。パソコンゲームの腕が上達する。

11・亀田三兄弟をを仲間にしようと決意する。(怖いのでやっぱり止めた)

12・痔が痛い

13・信用できる人を見つけたいと思う

14・知らない人から手紙をもらう。気持ち悪い。

15・浴衣萌え。魔法使いの今後について考えてみる。(でもやっぱりビキニが好き)

16・過去を振り返る。竜の女王と同じ境遇だ。

17・過去を振り返る。息子の思春期について考える。

18・使えない魔法を覚える。

19・使えない魔法を覚える。



019

「生卵をレンチン」

という呪文を覚えた。小規模爆発を起こす呪文だ。


食べ物を粗末にするなと怒られるのでなるべく使わないようにしなければならない呪文。

018

『タンスの角に小指をぶつける』

という呪文を覚えた。これはタンスの角に小指をぶつけるぐらいのダメージを与える呪文だ。

この呪文の難点は3つ

・タンスを持ちはこばなくてはならない

・当たる確率が少ない

・自分がダメージを受けてしまう可能性がある

当たれば大ダメージ、しかし自分も食らってしまうかもしれない諸刃の呪文だ。


注(小さい子供がいる方は使わないようにしましょう)

017

いつごろから息子は変わったんだろうとふと思った。

そういえば息子が中学三年のころからだったような。このころから部屋に閉じこもって本ばっかり読んでた気がする。そして顔や体の形が変わっていってたな。これが成長期かと思っていたが違ったのだろうか。

夢中になって読んでた本は「しんかのひほう」とかいう本だったな。

016

子「パパのお仕事は何?」

「勇者だよ」

子「なにするの?」

「悪い怪物たちを退治するんだよ」

子「怪物いないよ」

「だからこんな生活なんだよ」

子「僕がいっぱい頑張って楽にしてあげるよ」


あれから10年。息子が魔王になって恩返しに来ました。

015

水着とか装備であるんだったら浴衣があってもいいんじゃないだろうか。どっかの防具やで作ってくれないだろうか。たぶん繁盛間違いなしだろう。

イオナズン唱えたら花火大会になっていいと思うんだけどな。

魔法使いは職がなくなったら花火師になればいいんだ。